歯のオアシス~PARTⅠ~ 6歳臼歯は“歯の王様”
今、お口の中をちょっと見てください。奥から二番目くらいにあって、一番大きく形も立派な歯が六歳臼歯です。六歳ごろに生えてくるので、そう呼ばれています。その歯が、むし歯のない状態なら◎、つめものがしてあれば○、かぶせものがしてあれば△、抜けていたら、あなたの将来のお口の健康は要注意です。 この歯は、かみ砕く力も最大で、上下の六歳臼歯だけでかむ力は全体の三分の一をうけもち、その力は約六十㌔にもなります。とても大事な歯なので「歯の王様」と呼ばれています。
でも王様の寿命は意外に短く、六十歳くらいまでに、抜けてしまうことが多いのです。逆に、この歯をしっかり守ることが、八十歳で二十本の歯を残す「八〇二〇」達成の鍵になります。
八〇二〇達成者では、六歳臼歯がしっかりしていることが多いといわれています。
それでは、なぜ六歳臼歯は早く抜けてしまうのでしょうか?実は六歳臼歯は、とても虫歯になりやすいのです。
それは、「乳歯が抜けずに、一番奥に生えてくるので気がつきにくい」 「顔を全部出すまでの期間が長く、その間は、上下の歯が、かみあわないので汚れが残りやすい」 「はえてすぐの歯は、とても質が弱く抵抗力がない」などの理由があるからです。
歯の表面は生えてから二年ぐらいかけて硬く強くなるので、汚れがあるとあっという間に、むし歯になってしまいます。
「歯の王様」を守るため幼稚園、保育所、小学校低学年の間は、しっかり仕上げ磨きをしてあげて、むし歯を見のがさないようにしてください。
また学校健診でむし歯がないと言われても、定期的に歯科医院でチェックをしていただきましょう。
2008.5.13 中日新聞三重版掲載