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歯のオアシス~PARTⅡ~ フッ化物で虫歯予防 適切な使用で効果

虫歯予防にフッ素(元素記号F)が効くことは、広く知られるようになってきました。フッ素入りの歯磨き剤を使っている人も多いでしょう。フッ素は、フッ素化合物(フッ化物)として、水や食べ物、人の身体の中に含まれているものです。フッ化物を適切に使用すれば、虫歯に対する抵抗力が増し、初期虫歯を修復する再石灰化が促され、虫歯菌の活動も抑制されます。

虫歯予防のためのフッ化物の使い方としては、歯磨き剤のほか、「ぶくぶくうがい」(フッ化物洗口)や、歯科医師・歯科衛生士がフッ化物を歯に塗る方法(フッ化物歯面塗布)などがあります。これらは医学的な研究結果を総合的に評価する英国のコクラン共同計画でもその有効性が認められています。

フッ化物洗口は個人で行うこともできますが、洗口剤の濃度管理が必要なことから、学校などで集団で行うのに適しているといわれています。厚生労働省も二〇〇三年に「フッ化物洗口ガイドライン」を示し、推奨しています。

虫歯の有病率等が全国水準より高い北海道では状況を改善するため、新潟県に次いで全国で二番目となる歯科保健にかかわる条例を制定。今後、すべての保育園、幼稚園、小中学校にフッ素洗口を導入することを検討しているそうです。

診療室から

歯科医院や保健所などで行われるフッ化物歯面塗布は、わが国のフッ化物応用では比較的早くから普及してきたものです。

歯面塗布は、時期や回数を含め、方法によって虫歯予防効果が大きく変わるといわれています。乳歯、永久歯ともに、生えて間もない歯に行うのが有効です。生えた直後の歯の表面は未熟なので、虫歯になりやすい半面、フッ化物が取り込まれやすいからです。

永久歯がはえ揃ってから、エナメル質が成熟するまでの期間を考えると、一五歳ぐらいまで年二回以上のフッ化物歯面塗布を続けると良いでしょう。


                               2010.2.13 中日新聞三重版掲載