TOP > 歯と口の健康週間事業(審査結果) > 歯のオアシス~PARTⅢ~ 8020運動 達成へ県も後押し > 歯のオアシス~PARTⅡ~ バイオフィルム 歯みがきがむずかしいわけ

歯のオアシス~PARTⅡ~ バイオフィルム 歯みがきがむずかしいわけ

毎日歯磨きしているのに虫歯が出来ちゃった。そこで、歯科医院に行ったら、「もっとしっかり、歯磨きしてください」と注意された。だから、次の治療の日には、頑張って歯磨きして行ったのに、「ぜんぜん、プラーク(歯こう)がおちていません」って言われた。そんな経験ありませんか。

虫歯や歯周病の原因であるプラークは、「バイオフィルム」というねばねばした膜を作って、歯の表面を覆っています。 バイオフィルムとは耳慣れない言葉と思うかもしれませんが、実は身近にあって、誰でもよく知っているものです。

排水溝や排水管の中、台所の三角コーナーに付着しているぬるぬるしたもの、実はあれもバイオフィルムです。あのぬるぬる、水洗いだけでは取れませんよね。こすり洗いをして、やっときれいになります。

口の中も同じ。バイオフィルムが作られていると、唾液の洗浄効果や、洗口剤(うがい薬)の殺菌効果もうまく働きません―図参照。「磨いたつもり」「なんとなくさっぱり」の磨き方ではなく、歯ブラシをきちんと歯に当て、表面についたぬるぬるを、確実に取り除く必要があります。

診療室から

家庭での正しい歯磨きに加え、歯科医師や歯科衛生士による、専用の器具を使ったバイオフィルム除去を定期的に行うと、歯周病の進行を防ぐ効果があることが明らかになっています。通常フッ素入りのペーストを使用するので虫歯の予防効果もあります。

この方法はPMTCと呼ばれ、歯科医院で広く行われています。歯周病の治療で通院する場合は、保険診療で、こうした管理が受けられます。

                               2009.5.10 中日新聞三重版掲載