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歯のオアシス~PARTⅡ~ エックス線検査 骨や歯根も調べる

歯科治療で行う検査の中で代表的なものがエックス線検査です。隠れた虫歯を見つけたり、虫歯の広がりを確認できたりするほか、歯を支えている骨や骨の中に埋まった歯の根の状態を調べることができます。

歯科エックス線撮影と呼ばれる方法は、三センチ×四センチほどの、独特の小さなフィルムを用い、三本前後の歯が撮影できます。上下の歯全体を一度に撮影する場合はパノラマ断層撮影をします。あごの骨全体が写るので、歯の生え換わりの様子や親知らずの状態、あごの中の病気を調べるのにも有効です。歯周病の診断では、十~十四枚程度の歯科用フィルムで、すべての歯を撮影する全顎(ぜんがく)撮影法を行うこともあります。

エックス線撮影による被ばくはさまざまな研究がありますが、自然被ばく量との比較から考えても、大きなリスクととらえる必要はありません。

最近はエックス線撮影のデジタル化も進んでいます。現像の時間がかからないなど利点がある一方で、画質の点では従来型にも長所があります。歯科用のコンピューター断層撮影(CT)も病院などで普及してきており、あごの骨の三次元的な形態を確認したいインプラント治療などを中心に活用され始めています。

診療室から

エックス線検査は最初の診断時に最も多く行われます。現在の病気の状況や、口の中全体の様子を知るためです。

治療中にも検査が必要になる場合があります。特に歯の根の治療では、エックス線で確認しながら治療を進めます。歯周病の治療によって歯を支える骨の状態が改善するには時間がかかるので、ある程度の期間をおいて、パノラマ断層撮影や全顎撮影で経過を追っていきます。

歯科医師は、わずかとはいえ被ばくを伴う検査であることを念頭に置いて、それが必要かつ有益な場合にのみ、エックス線検査を行っています。


                               2010.3.10 中日新聞三重版掲載