歯のオアシス~PARTⅠ~ 歯周病は万病のもと
花粉が舞って花粉症になると鼻がつまる。そうすると口で呼吸をすることが多くなるため、口の中が乾燥してきます。通常より水分(唾液)が少なく、細菌が繁殖しやすい湿度となった□の中は、歯の周りに歯こうがついて、最終的に歯周病となってしまうのです。
歯周病はほっておくと命をもおびやかす恐ろしい病気に発展する可能性もあります。
歯周病菌は口の中だけでなく、血管の中にも入って行きます。歯周病菌が血管の中に入ることで、インスリンの働きを悪くする物質が増えて糖尿病にかかりやすいと言われているのです。
また血栓を作りやすくし、心筋梗塞などにかかる可能性もあり、「歯周病は全身の病気と深くかかわっている」そんな考えが、医師の間に広まりつつあります。
そんな恐ろしい病気になる可能性のある歯周病に、成人の約80%以上がかかっていると言われています。
歯周病を予防するには、当然の事ながら歯をこまめにきちんと磨くことと、水分を多くとったり唾液が常に出ている状態を作ることが重要です。
そのほかに、歯周病予防に強力な味方となる食べ物もあります。フラボノイドが含まれるお茶は有名ですが、わさびや大豆製品が効果的なのはあまり知られていません。わさびには強力な殺菌作用があり、大豆には歯に良い「グリシン」という物質が含まれています。
また、ヨーグルトも歯に良い食品の一つとされていますが、一方で、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、酸を作りエナメル質を溶かすので、ノンシュガーでも食べた後に歯を磨かないでいると危険です。
要するに、体に良い食品はきちんと食べて、食後の歯と歯茎のケアは忘れない、それが大切なのです。歯周病の健診を忘れないでください。
2008.6.27 中日新聞三重版掲載