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食欲の秋、おいしいものを見るとついよだれが出そうになりますが、その唾(つば)は一日どのくらい出ているのでしょう。実は一日1リットル以上出ています。普段は意識しないこの唾液(だえき)には、健康を維持するたくさんのパワーが秘められています。
唾液は、口の中のいくつかの場所(唾液腺)から分泌され、主な働きは食物のでんぷんを分解し、生きるための活動エネルギーをつくる手助けをします。また、口の中のプラークや食べかすを洗い流し、虫歯や歯周病の予防する自浄作用もあります。
虫歯の原因であるミュータンス菌は砂糖から酸を作り、歯を溶かします。唾液に含まれるハイドロキシアパタイトは、再石灰化と言って溶けた歯を再生する作用があります。ムチンという唾液をぬるぬるさせる成分も含まれ、歯や食べ物の角から口の粘膜を守っています。入れ歯を入れることができるのもムチンがあるからで、もしなければ痛くて入れられないはずです。
また、唾液の中には、ラクトフェリン、リゾチームなどという酵素があり、ばい菌(細菌)の発育や増加を抑えています。パロチンという唾液ホルモンは新陳代謝に関係しており、若い肌を保つ効果があるばかりか動脈硬化の防止、脳の活性化にもかかわっています。
その他にも唾液には、老化防止、血圧低下作用、口臭抑制など多くの働きがあります。唾液も年齢とともにだんだん少なくなってきますが、会話を多くしたり食事もゆっくりよくかめば唾液がたくさん出ます。
今日から、よくかんで唾液をたくさん出して、健康増進を図りましょう。 |
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