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四月からメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)の早期発見を目的とした健康診査(特定健康診査)が始まりました。
「よくかむこと」と「肥満」は大きな関係があります。食事をして血糖値が上がると脳にある満腹中枢・摂食中枢神経が刺激をうけて少量の食事でも満腹感を感じます。
「よくかむ」ことは、唾液がたくさん出て、食べ物がより細かくなるので、消化・吸収が進むため血糖は血流により脳の神経に早く達するのです。よく味わうことで、胃や腸での消化活動や消化液の分泌が盛んになります。「よくかんで食べること」は、おいしく食べることができ、さらに満腹感が得られ、食べ過ぎず、肥満を防ぐことにつながります。
肥満を防ぐ食事方法として、①食事をする時間・回数を決め、寝る前の食事は避ける②ゆっくり食べ、かむ回数を意識してみる③間食の時間・内容・量を決め、おやつも「低カロリーのもの」を選んで清涼飲料水は避ける―が挙げられます。これらは、虫歯を防ぐ生活習慣そのものです。虫歯になりやすい生活習慣は肥満になりやすい生活習慣でもあるのです。
戦前と現代の食事のメニューを再現して比較すると、かむ回数は戦前は千四百回ほどで八百四十カロリー、現代では六百回ほどで二千カロリーと極端に回数が少なくなり、カロリーは逆に高くなっています。現代は、軟らかくて高カロリーな食品が多くより肥満になりやすいとも言えます。
もちろん歯が弱かったり、入れ歯が合ってないとしっかりかめません。そういう場合は歯科医師に相談するのも大切です。お口の健康に注意して、しっかりかむことは、メタボリック対策のひとつともいえるでしょう。 |
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