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PARTⅡ |
インターネットの歯の相談室などを見ると、歯科治療で「歯をたくさん削られた」という苦情を目にすることがありますが、多くが誤解であるように感じます。確かに、小さな虫歯ならその部分だけ削って詰めればよいのですが、大きな虫歯の場合は、ちょっと事情が変わってくるからです。
神経を取る治療が必要だった場合などは、歯の根の部分以外を作り直すような治療を行います。一見、歯の形が残っているように見えていても、歯の内側が空洞になっているので、外側を無理に残して詰める治療ですませても、後からその歯が割れてしまう可能性が高いのです。
そのため、一般的な治療では、歯の空洞部分に「支台」と呼ばれる土台を建てて、その上から「冠」をかぶせるという手順で歯の失われた部分を作り直します。この治療途中の状態を見ると、思っていたより歯が残っていなくて驚かれるかもしれませんが、必要以上に歯を削っているわけではありません。
「冠」を天然の歯と同じような形、大きさに作るためには、土台の部分はある程度小さいことも必要です。削り方が足りないと、冠が大きくなってしまうため、ブラッシングが難しくなり歯肉の炎症につながることもあります。 |
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支台と冠で歯を作り直す治療では、材料によって保険診療で給付されるものと、保険が効かず、全額自己負担のものがあり、どちらかを選ぶ必要があります。保険診療の場合、一部の例外を除いて奥歯(小臼歯・大臼歯)には金属の冠をかぶせることになります。
最近は患者さんのニーズに応えられる、自然な歯の色に近い材料がいろいろと開発されていますが、財政上の理由から保険診療にはなかなか組み込まれないのが現状です。治療法を選択する場合は、よく説明を受けた上で、判断してください。 |
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