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硬いものを食べれば歯が丈夫になることは、今や世界の常識です。ところで、ヒラメとカレイの見分け方としては顔の位置から「左ヒラメに右カレイ」というのが有名ですが、左側に顔があるカレイもいるため、この方法が通用しないこともあります。そこで見分け方として「歯」の違いがあります。
ヒラメはイワシやアジを食べるので大きくて強い歯を持っていますが、カレイはイワムシやゴカイを食べるので小さな歯をしています。
歯の違いは顔の違いにも現れており、ヒラメは口が裂け怖い顔で「おおくち」と呼ばれていますが、カレイはおちょぼ口の優しい顔で「くちぼそ」などと呼ばれることもあります。
食べ物が歯を鍛えることは人間の世界にもあてはまります。ナイジェリアの子供たちは食事のメニューが魚の干物や薫製、肉は牛や鶏の硬い肉で、焼くか煮たものを丸かじりするだけでした。彼らが五十歳までに失う歯は平均一本以下。日本人が平均五・八本失っているのと比べるとナイジェリア人が健康で強靭な歯の持ち主であることがわかります。
チベットでは生後二―三ヶ月の子供に肉の丸ゆでしたものをおやつ代わりに与えて、歯茎を鍛えているそうです。
このように硬いものをよくかんで食べることは、むし歯をなくし健康な体をつくるだけでなく、顔の形、表情や子供の成長、発達にまで重要なことです。
昔の人が健康な歯を維持していたのに対し、現代人にむし歯が多いのは食生活が変わったことが原因です。健康な歯でよくかんで食べることは結果的に歯や体の健康を増進するのです。そのためにも、日ごろから歯の健康に十分気をつけましょう。 |
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