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日本人の平均寿命は男性七十八歳、女性八十五歳を越えるまでになりました。理想は無病息災ですが、最近は一病息災といい、少し病気があると歯の重要さを知り、長生きできるとも言います。
一病息災では、どうしても薬との付き合いが欠かせません。中高年を過ぎると毎日飲む薬が二、三種類あるという方も多いと思います。その薬が口の健康と関係していることは意外と知られていないのです。
日本人の三大生活習慣病(ガン・心臓病・脳卒中)に大きく関係しているのが動脈硬化で、その原因となるのが高血圧です。今はたくさんの種類の血圧を下げる薬がありますが、その中の一部で歯茎が腫れやすくなるものがあります。なかなか腫れがひかない歯茎が薬を変えてもらっただけで良くなる事もあります。
心臓病の患者さんで、「血液をサラサラにする薬」を飲んでいる方がいます。この薬は血が止まりにくくなりますから、歯を抜いたりする時は、かかりつけ医との連携が必要です。血圧やうつ病の薬、睡眠薬などで、口がひどく渇いたり、入れ歯で粘膜が痛んだり、食べ物の味が変に感じたりすることもあります。
最近になって骨粗しょう症の薬と口の関係も分かってきました。骨粗しょう症の薬の一部を飲んでいると、歯を抜いたりした時、あごの骨の骨髄炎を起こすこともあり注意が必要です。
歯科医師も気をつけていますが、かかりつけの医師にかかっていると病気になったことや、薬を飲み始めたことを言い忘れることはよくあると思います。医院や調剤薬局から薬の説明書をもらうことも多いと思います。
新しく歯科医師にかかる場合、また通院している場合でも、薬をもらったら忘れずに医師に伝えて薬の説明書も見せてください。 |
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