|
PARTⅡ |
前回の続きです。かつて「歯槽膿漏は治らない」というイメージが一般的でした。ある程度進行した歯周炎の場合、元の状態に戻すのは難しく、再発もしやすいからです。
健康な状態では、歯の根の周りには、それを支える組織(歯根膜)がしっかりとくっついています。歯周病が進行すると、はがれてしまうと考えると分りやすいでしょう。 歯周病の検査では、目盛の付いた細い器具で、どこまではがれてしまったか調べます。
はがれてしまった部分は、歯周ポケットと呼ばれます。ポケットの中は自分で磨くことは難しく、歯周病菌や歯石も、より「たちが悪いもの」が増えていきます。歯周病の治療はこのポケットの中をきれいにする作業(歯石除去と根の表面の滑沢化)が中心です。
ただし、治療が終わっても元通りになるわけではありません。健康な状態では、歯と歯を支える骨はまるで縫い付けたようにくっついている(結合組織性付着)のですが、歯周治療がうまくいっても、貼り付けたようなくっつき方(上皮性付着)にしかならない場合が多いのです。貼り付けただけなので、はがれやすい。歯周治療が一段落した後も、再発を防ぐための治療が必要になります。 |
|
|
歯周病の基本的な治療や手術が終わり、ある程度症状が改善した状態を「病状安定」といいます。これが一つのゴールです。
その後、必要に応じて「歯周病安定期治療」を続けます。日々のブラッシングに加え、歯科医院などで定期的に歯石の除去等を行うもので、病状の安定を維持していくことが目的です。
安定期治療の間隔は、症状やブラッシングの状況などで一定ではありません。三ヵ月ごとが基本と言われていますが、一ヵ月ごと、半年ごとなど、適宜長くしたり短くしたりします。 |
|
|
|
|