|
江戸時代中期に活躍した有名な浮世絵草紙作家でもある井原西鶴はこう言っています。
「歯は透き通るほど白く、みがきつくすを第一にす。好色の家にて口中をたしなむこと最上の業なり。外をつくろひたりとも、口中無沙汰ならば、色を好むとは云い難かるべし」
粋な人は色恋の前には服装などよりも、お口を磨くことを重視しなさいという内容です。外見よりも、まずエチケットとしてお口の中をきれいにすることが、どうやら江戸時代の常識だったようです。
現代でも「他人の口臭を不快に感じたことがある」人は男性も女性も90%を超えるそうです。「上司の身だしなみで最も気になること」も90%以上の人が「口臭・体臭」を一番にあげています。まさに口臭予防は昔も今も欠かせないエチケットと言えます。
口臭の原因にはいろいろありますが、多くに共通しているのが唾液(つば)の不足によるものです。朝起きた時、疲れがひどい時は、誰でも口臭が強くなり、またニンニクやお酒、たばこによる口臭は異常でもなく病気でもありません。
鼻、喉、食道、肝臓などの病気や糖尿病などが原因の場合もありますが、口臭のほとんどは歯周病、虫歯、お口がかわいてしまうドライマウス、舌の上に苔のようにたまる舌苔(ぜったい)などお口の中に原因があります。
唾液が何らかの原因で不足すると、口の中で百億以上すんでいるといわれる細菌が悪さをし、食べかすなどを分解、においの元となる物質を作り出し、これが口臭となってしまうのです。
お口の中の細菌を減らすためにはよくかんで唾液の分泌をうながすことと、正しい歯みがきが何よりも大切です。
口臭を気にしすぎてしまい人付き合いがうまくいかなくなる人もいますから、気軽に歯科医師に相談してみて下さい。 |
|
|
|