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PARTⅢ
●8020運動 達成へ県も後押し
●身元特定 役割大きい「警察歯科」
●児童虐待防止の一端担う
●食育「食べ方」支援も役割
●来月「衛生週間」健康見直す好機に
●治療支える多くの仲間

PARTⅡ
●インプラント 長所多いが万能ではない
●エックス線検査 骨や歯根も調べる
●全身との関連・他の病気兆候も確認
●フッ化物で虫歯予防 適切な使用で効果
●口腔がん 早期発見のために
●高齢者・歯の根の虫歯に用心
●歯科用接着剤 世界に先駆け開発
●高齢者の口腔ケアの大切さ
●準備と調整、管理が大切
●土台と冠で歯を作り直す
●歯周病・再発を防ぐ
●歯周病・大人も検診を
●親知らず 抜歯は「痛む」前に
●マウスガード スポーツ外傷を防ぐ
●歯の治療は根気が大切
●歯ずい炎 大切な歯の神経
●口呼吸・歯並びに影響
●ブラキシズム、クレンチング・意外な難敵
●酸蝕歯・大好物が原因かも?
●バイオフィルム 歯みがきがむずかしいわけ
●初期虫歯 けずって詰めなくても治るの?
PARTⅠ
●歯と歯茎は命の証し
●老化は口元から
●口は大きく開けますか?
●甘い誘惑ケアで断つ
●「知覚過敏」歯磨きで治療
●食べることは生きること
●ホワイトXマスは白い歯で
●忠臣蔵と歯みがき
●お釈迦様も歯磨き指導
●幸せはぐくむ健康家族
●日本で最古の「入れ歯」
●唾液パワーで健康維持
●食べ物が歯を鍛える!?
●薬が口の健康に関係
●口内炎は「小さな難敵」
●口腔ケアで肺炎予防を
●「歯ぎしり」ストレスが敵
●口は子育てのバロメーター
●歯周病は万病のもと
●宇宙飛行士も虫歯予防
●口臭予防は身だしなみ
●6歳臼歯は"歯の王様"
●よくかむことがダイエット
●乳歯はママが作ります


PARTⅡ
●歯科用接着剤 世界に先駆け開発
 「○○ボンド用意して」。診療所のスタッフに、歯に冠をかぶせるための材料の準備を指示したら、診療いすに横たわっていた患者さんが跳び起きました。「ボンドでつけるんですか?」
 きっと、工作などで使う木工用ボンドとか、瞬間接着剤みたいなものを想像したのでしょう。もちろん、口の中で使える専用の接着剤ですが、「ボンド(bond)」とは接着するという意味なので、歯科用の材料にも「ボンド」と付く名前が多いのです。
 虫歯で一部が欠けたり、穴が開いたりした部分を修復する場合、その材料と歯がしっかりくっつく(=接着する)ことが大切です。この「接着」のための技術や材料は、ここ三十年ほどの間に、歯科の中で最も進歩した分野の一つです。
 口の中は、常に湿気があり、温度変化もある。かみ合わせの強い力もかかる。接着剤の機能を発揮するには、とても厳しい環境です。しかし多くの研究者の努力により、一九七○年代~八○年代、世界に先駆け、日本で非常に優れた歯科用接着剤が開発されました。こうした材料は、その後の歯科治療を大きく変えたと言っても過言ではありません。あまり知られていないことですが、ちょっと誇らしい事実です。

 比較的小さい虫歯の場合、細菌に感染した部分までを削り取って、穴が開いてしまった部分を人工材料で補い、本来の形に修復します。接着が十分でなかった時代には、修復材が外れないようにするために、感染していない部分も削る必要がありました。
 しかし、優れた接着剤の開発により、削りとる部分を最小限にすることができるようになりました。しかも、ほとんど元の歯と区別がつかない色の材料(コンポジットレジン)を接着させることができます。以前は前歯にしか使えませんでしたが、材料の強度が高まり、奥歯に使うことも増えています。

2009.12.9 中日新聞三重版掲載